辞職とは何か?
辞職とは何か?
辞職とは、労働者からの一方的な意思表示により労働契約を終了させることをいいます。
期間の定めのない雇用契約においては、労働者は2週間の予告期間を置けば「いつでも」理由を要せず雇用契約を解約することができます(民法627条1項)。
ただし、月給制の場合は、民法627条2項によると、「期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない」とされています。
正社員の場合は、期間の定めのない雇用契約を締結していることがほとんどです。したがって、多くの場合、民法627条2項に該当します。
民法627条2項を例示すると、たとえば、給与計算期間が1日から末日の事業所において、4月1日から15日までに辞職の意思表示がされた場合、労働契約は4月末日に終了しますが、辞職の意思表示が4月16日から末日までになされた場合、労働契約の終了は5月末日となります。
就業規則で、「自己都合退職の場合、退職希望日の30日前に退職の意思表示をしなければならない」と定められている例をよくみかけますが、合意退職と辞職の区別が明確になされていません。
このような場合、法律か就業規則かいずれか労働者に有利な方が適用されることになります。
たとえば、4月16日に退職の意思表示がされた場合、民法627条2項の規定では5月末日に労働契約が終了することになりますが、就業規則が適用され5月15日に労働契約が終了することになってしまいます。
したがって、合意退職と辞職については、就業規則に明確に分けて記載することをお勧めします。
なお、辞職の意思表示があって14日で辞められ、その間、年次有給休暇を使用するとされた場合、業務が回らなくなる可能性があります。
そのため、退職するときには、「引き継ぎを確実に行う」旨の規定を就業規則に設けておくことをお勧めします。
また、引き継ぎを確実に行わない場合、退職金の減額を示唆する旨を追記しておくことをお勧めします。