病院以外の施設にも就業規則が必要?
病院以外に診療所、介護施設を運営している場合、診療所や介護施設にも就業規則が必要か?
労働基準法第89条には、「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、所定の事項について就業規則を作成し、行政官庁(所轄労働基準監督署長)に届け出なければなりません。変更した場合においても、同様です。」とあります。
- ここでいう「常時10人以上の労働者を使用する使用者」というのは、企業単位でみるべきか、または個々の事業場単位にみるべきかという問題がありますが、これについては、事業場単位で判断されます(労働基準法 下 厚生労働省労働基準局編 労働法コンメンタールによる)。
- 上記の質問について、病院、診療所、介護施設の常時使用する労働者がそれぞれ10人に満たない場合は、労働基準法上、就業規則の作成・届出義務はありません。
- 病院の常時使用する労働者が10人以上で、診療所、介護施設の常時使用する労働者が10人未満であれば、病院は就業規則の作成・届出義務が発生するが、診療所および介護施設は作成・届出義務はありません。
- また、すべての事業所で10人未満であっても、仮に、病院が本部的な役割をし、診療所や介護施設が独立性がないと考えられる場合、本部的役割を果たす病院と一括して一つの事業と判断すべきです。つまり、すべての事業所を併せて常時使用する労働者が10人以上になる場合、就業規則の作成・届出義務が発生します。