東北公済病院事件
東北公済病院事件
(仙台地裁判決 昭和48年5月21日)
<概要>
- 看護師長まで務めた看護師を労務職に転換したうえ、洗濯場勤務へ配置転換をしたことについて争われた事案
<判断のポイント>
- 配置転換に関しては、看護師として労働契約を締結しているため、労務職へ配置転換する場合は従業員の同意が必要となる。
- 看護師長をしているとき、医師とのトラブル、患者に対する態度に公平さを欠く行為があった等の問題があり、看護師長の職を剥奪し、中央消毒室に配置転換したことは認められる。
- しかし、中央消毒室でも同僚とトラブルになり、病院側は、病院を辞めるか労務職への配置転換を当人に迫った結果、当人は配置転換に同意した証言があるが、看護師の資格を有し、現にその職にある者が、通常労務職への配置転換にたやすく同意するとは考えにくく、当人も何度も看護職への復帰を要望していたことから、配置転換に同意していたとは言い難いと判断された。
<判決>
- 看護師として本来支給されるべき本俸および一時金の金額1,939,611円が原告の損害額とされ、その分の支払と遅延利息分の支払いが命じられた。